請求書を郵送する。切手を貼る。84円だと思って貼っていたら、それはもう古い。
2024年10月1日、郵便料金が改定された。手紙が84円から110円に、はがきが63円から85円になっている。値上げ幅としては、消費税率の変更を除けば1994年以来の大きさだった。
ただ、金額より実務に効いたのは区分の統合のほうだった。
この記事は育ちます。公開後も、会話パート・トーク・補足を足していきます。
公開 2026-10-06 / 最終更新 2026-10-06(公開)
水深 — 定形郵便は「50gまで110円」の1本になった
改定前の定形郵便は、2段階だった。
- 25gまで 84円
- 50gまで 94円
改定後は、これが1つになっている。
50gまで 110円
25gという境目が消えた。これが実務では大きい。
A4の紙が1枚4グラム前後(コピー用紙64g/m²の場合)。長形3号の封筒が5グラム前後。以前は「封筒+紙5枚くらいで25gを超えるから、そこで料金が変わる」と気にしていた。
いまは、紙10枚くらいまで気にしなくていい。
50gの内訳をざっくり計算するとこうなる。
- 長形3号の封筒 約5g
- コピー用紙(A4) 1枚約4g
- 50 − 5 = 45g ÷ 4 = 約11枚
請求書と明細と送付状で3枚。まず超えない。秤に載せる作業が減ったのが、いちばんの変化だと思う。
新しい料金の一覧
まとめておく。
定形郵便物
| 重さ | 料金 |
|---|---|
| 50gまで | 110円 |
はがき
| 種類 | 料金 |
|---|---|
| 通常はがき | 85円 |
| 往復はがき | 170円 |
定形外郵便物(規格内)
| 重さ | 料金 |
|---|---|
| 50gまで | 140円 |
| 100gまで | 180円 |
| 150gまで | 270円 |
| 250gまで | 320円 |
| 500gまで | 510円 |
| 1kgまで | 750円 |
定形外郵便物(規格外)
| 重さ | 料金 |
|---|---|
| 50gまで | 260円 |
| 100gまで | 290円 |
| 150gまで | 390円 |
| 250gまで | 450円 |
| 500gまで | 660円 |
| 1kgまで | 920円 |
| 2kgまで | 1,350円 |
| 4kgまで | 1,750円 |
専用封筒
| 種類 | 料金 |
|---|---|
| レターパックライト | 430円 |
| レターパックプラス | 600円 |
| スマートレター | 210円 |
オプション
| 種類 | 加算 |
|---|---|
| 速達(250gまで) | +300円 |
| 簡易書留 | +350円 |
| 一般書留 | +480円 |
| 現金書留 | +480円 |
| 特定記録 | +210円 |

「規格内」と「規格外」の差が大きい
定形外の表を見て気づくと思う。同じ重さでも、規格内と規格外で倍近く違う。
50gなら140円と260円。120円の差。
規格内の条件はこうだ。
- 長辺 34cm以内
- 短辺 25cm以内
- 厚さ 3cm以内
- 重さ 1kg以内
ひとつでも超えると規格外になる。
角形2号(240 × 332mm)は、規格内に収まる。 A4を折らずに送れて、規格内で済む。
一方、角形0号や、厚みのある封筒は規格外になる。書類にクリアファイルとカタログを入れて3cmを超えた瞬間、料金が跳ね上がる。
厚さ3cmが、いちばん踏みやすい線だと思う。
定形の上限は、長形3号ぴったり
定形郵便でいられる寸法の上限も押さえておく。
- 長辺 23.5cm以内
- 短辺 12cm以内
- 厚さ 1cm以内
- 重さ 50g以内
そして長形3号は 120 × 235mm。上限ぴったりに作られている。
だから長形3号を使っているかぎり、寸法で定形外になることはない。気にするのは厚さと重さだけでいい。
逆に、少し大きい長形2号(119 × 277mm)は、長辺が27.7cmなので定形外になる。同じ「長形」でも料金区分が変わる。
封筒の在庫を1種類に絞れるなら、長形3号にしておくのが事故が少ない。
レターパックの損益分岐点
どこからレターパックにすべきか。計算しておく。
レターパックライト 430円(厚さ3cm以内、4kgまで、郵便受けに配達、追跡あり)
定形外・規格内で430円に届くのは、500g(510円)の手前あたり。250g(320円)ならレターパックのほうが高い。
つまり、
- 250gくらいまで → 定形外のほうが安い
- 500gを超えるなら → レターパックライトが安い
- 追跡が要るなら → 重さに関係なくレターパック(特定記録の+210円より安いことが多い)
レターパックプラス 600円(厚さ制限なし、4kgまで、対面手渡し、受領印)
こちらは「対面で渡した記録が要る」場合に使う。簡易書留(110+350=460円)より高いが、厚みのあるものを送れる。
契約書の原本を送るときは、プラスを使う運用にしている会社が多いと思う。受領印が残るので、届いていないという話にならない。
料金改定のたびに起きること
料金が変わると、実務では必ずこの3つが起きる。
① 古い切手が残る
84円切手、63円切手。使い切れないぶんが残る。これは額面どおりの金額として使えるので、110円にするなら84円+26円ぶんを貼り足す。
貼り足すのが面倒なら、郵便局で手数料を払って新しい切手に交換できる。手数料は1枚あたり数円。大量に残っているなら、こちらのほうが早い。
② 料金別納・後納の設定が古いまま
料金別納のスタンプや、後納の請求設定。金額が刷り込まれているものは、改定のたびに直す。
③ 社内の一覧表が古いまま
これがいちばん多い。給湯室や郵便コーナーに貼ってある料金表が、前の料金のまま残る。
料金表には改定日を書いておくといい。「2024年10月1日改定」と入れておけば、次に変わったときに気づける。

切手の会計処理
経理としては、切手の扱いも押さえておく。
購入したとき
貯蔵品(資産)で計上するのが原則。ただし、毎期おおむね一定量を購入して継続的に使用している場合は、購入時に通信費(費用)として処理し、期末に未使用分を貯蔵品に振り替えなくてもよい、という取扱いがある。
中小企業では、買ったときに通信費、期末に残っている分だけ棚卸して貯蔵品という運用が多い。
消費税
切手の購入は非課税。使ったとき(郵送したとき)に課税仕入れになる。ただし継続適用を条件に、購入時に課税仕入れとする処理も認められている。
このあたりは自社の処理がどちらか、一度確認しておくといい。継続適用が条件なので、年によって変えるのはよくない。
そもそも郵送しない、という選択
料金の話をしてきたが、いちばん効くのは送らないことだ。
請求書を電子で送れば、郵便料金も封入の手間もゼロになる。インボイス制度でも電子インボイスは認められているし、電子帳簿保存法では受け取ったデータの電子保存が義務になっている。
紙で送り続ける理由があるとすれば、
- 相手が電子を受け付けない
- 押印した原本が必要(契約書など)
- 社内の承認フローが紙前提
3つめは自社の問題なので、変えられる。1つめは相手次第。2つめは、そもそも押印が必要かを確認するところから始まる。
郵便料金の値上げは、電子化を検討する口実として使える。 年間の郵送費を出してみると、思ったより大きいことが多い。
実務のチェックリスト
最後に、月末の発送前に見るリストを。
- 封筒は長形3号か(定形の上限ぴったり)
- 紙が11枚を超えていないか(50gの目安)
- 厚さ3cmを超えていないか(規格内の境目)
- 追跡が要るものは特定記録かレターパックにしたか
- 原本を送るものは受領印の残る方法か
- 料金表は改定日入りで貼ってあるか
これだけ見ておけば、窓口で差し戻されることはほぼない。
航路 — 境目が減った
整理する。
- 2024年10月1日改定。定形110円、はがき85円
- 25gと50gの区分がなくなった。50gまで一律110円
- A4のコピー用紙なら、封筒込みで約11枚まで定形で送れる
- 定形外は規格内と規格外で倍近く違う。境目は厚さ3cm
- 長形3号は定形の上限ぴったり。長形2号は定形外になる
- レターパックライト430円の損益分岐点は、500gあたり
- 古い切手は額面どおり使える。交換も可能(手数料あり)
値上げそのものより、25gの境目が消えたことのほうが、日々の手間としては大きかった。
秤に載せて、25gを超えたか確かめて、切手を貼り替える。あの作業がなくなっている。値上げのニュースの陰に隠れて、あまり語られていないところだと思う。
封筒の種類と、選び方
料金の話をしたので、封筒側も整理しておく。実務で使うのは、実質4種類しかない。
| 名称 | サイズ | 用途 | 郵便区分 |
|---|---|---|---|
| 長形3号 | 120 × 235mm | A4三つ折り | 定形 |
| 角形A4号 | 228 × 312mm | A4をそのまま | 定形外・規格内 |
| 角形2号 | 240 × 332mm | A4+クリアファイル | 定形外・規格内 |
| 洋長3号 | 120 × 235mm | 案内状、横書き | 定形 |
長形3号と洋長3号は同じ寸法で、フタの位置と向きが違う。洋形は長辺にフタがあり、案内状や招待状に使う。ビジネス文書は長形が一般的になっている。
角形A4号と角形2号の違いは、クリアファイルが入るかどうか。角2のほうが一回り大きい。ファイルごと送るなら角2、書類だけなら角A4。角A4のほうが軽いぶん、料金区分で有利になることがある。
窓付き封筒も触れておく。宛名を書かず、中の書類の宛名が窓から見える形式だ。宛名書きの手間とミスが減る。請求書を大量に出すなら効く。ただし、中の書類の位置がずれると宛名が見えなくなるので、フォーマットを固定する必要がある。
三つ折りの向き
細かいが、迷うところ。
A4を三つ折りにするとき、下から折って、上を重ねる。封筒から出したとき、そのまま読める向きになる。
そして封筒に入れるときは、折り目が下、書き出しが右上に来る向き。取り出してすぐ読める。
決まりではないが、揃っていないと受け取った側が一度持ち替えることになる。大量に送るなら、社内で向きを統一しておくと印象が変わる。
切手を貼るか、別納にするか
月に何通出すかで、やり方が変わる。
① 切手を貼る
数通なら、これでいい。ただし在庫管理が要る。
② 料金別納
同時に10通以上まとめて出すときに使える。封筒に「料金別納郵便」の表示を印刷しておき、窓口でまとめて払う。切手を貼る手間がなくなる。
表示は自分で印刷していい。形と記載内容に決まりがあるので、日本郵便のサイトで確認する。
③ 料金後納
月50通以上出す場合。事前に承認を受けて、1か月分をまとめて後払いする。担保が必要なことがある。
請求書を毎月100通出すような会社なら、後納にしたほうが圧倒的に楽になる。
④ 郵便区内特別郵便(区内特別)
同一市区町村内へ、同時に100通以上出す場合の割引。DMなどで使う。
月末の発送が50通を超えているなら、別納か後納を検討する価値がある。切手を貼る時間が、そのまま人件費になっている。
発送の記録を、どう残すか
経理として押さえておきたいのがここ。
何を、いつ、誰に送ったかの記録がないと、「届いていない」と言われたときに反証できない。
- 特定記録(+210円) 引受と配達の記録が残る。追跡番号で確認できる
- 簡易書留(+350円) 引受・中継・配達の記録。受取人の受領印が残る
- レターパックプラス(600円) 対面手渡し、受領印
金額の目安としては、
- 相手に届いたことを確認したいだけ → 特定記録
- 受け取った証拠が要る → 簡易書留かレターパックプラス
- 金銭を送る → 現金書留(他の方法では送れない)
そして、記録が要らないものでも、発送台帳を1枚作っておくと助かる。日付・宛先・内容・方法を4列書くだけでいい。月末の問い合わせが減る。
返信用封筒の作法
こちらから返信をもらう場合。
- 返信用封筒を同封し、切手を貼っておく
- 宛名に自社の住所と「行」を印刷しておく
- 相手は「行」を二重線で消して「御中」に直して出す
「行」と書くのは、自分に敬称をつけないため。相手が直すことを前提にした形式になっている。
ここでも二重線が出てくる。修正液で消すのではなく、二重線で消して書き直す。元の記載を残すという作法が、ここにも通っている。
なお、返信用封筒に貼る切手の金額は、返してもらう書類の重さで決める。厚い資料を返してもらうのに110円しか貼っていないと、相手が不足分を負担することになる。

この記事は、まだ書きかけです
この記事は、公開してから足していく形にしています。調べたことを書いた本文がまず先にあって、あとから「聞き手と話し手の会話」「あとで思い出したこと」「読んだ人から教わった補足」が積もっていきます。
だから、同じURLでも半年後には別のものになっているはずです。もし一度読んだことがある記事なら、下の更新ログだけ見てください。増えたところが分かります。
更新ログ
- 2026-10-06 公開(本文のみ。会話パートはこれから足します)

