会議が15分後に始まる。印刷した資料の枚数が足りないことに気づく。人数が増えていたか、部数を数え間違えたか。とにかく今すぐ刷り直さないといけない。
ファイルをダブルクリックする。開かない。
画面が動かないので、もう一度クリックする。Excelのウィンドウが白く薄くなって、砂時計が出る。応答なしの合図だ。そこから1分、長いときは2分待つ。
重いファイルを開くのは、たいてい時間に余裕があるときではない。そして開かないあいだ、外では「資料まだですか」というやりとりが始まっている。
この記事は育ちます。公開後も、会話パート・トーク・補足を足していきます。
公開 2026-09-07 / 最終更新 2026-09-24(育つ記事に切り替え)
水深 — 重さの正体は、行数ではなく年数
重かったファイルは2つある。どちらも30MBくらいあった。そしてどちらにも共通していたのは、1つのファイルに何年分も入れたまま使い続けていたことだった。
ひとつは、月ごとにシートが増えていくタイプ。それが何年ぶんも溜まっていた。
もうひとつは、フィルタで運用していたもの。画面に表示しているのは今年度だけでも、フィルタから外れた過去の年度や月のデータは、見えないままファイルの中に積み上がっていく。
画面に出ている量と、ファイルが抱えている量は違う。

暗礁① — 保存で固まって、入力が消えた
開くのが遅いだけなら、まだ待てばいい。
つらかったのは保存だった。保存を押した瞬間に固まって、応答が返ってこない。タスクマネージャーを開いて強制終了する。そこまでやったことが何度かある。
当時はクラウド共有でのExcel運用をしていなかったので、自動保存もない。強制終了すれば、それまで入力していたぶんは消える。
仕組みで守られていないぶん、個人の習慣で補うしかなかった。ひとつ作業が終わったらCtrl+S。それだけ。
暗礁② — 重さは、自分のパソコンの外にも出ていく
30MBのファイルは、メールで送るのも一苦労だった。
送信そのものに時間がかかる。相手に届くまでにも時間差が出る。相手のメールサーバーの容量によっては、そもそも受け付けてもらえないこともあった。
ファイルが重いというのは、自分が待たされるという話であると同時に、相手を待たせる、あるいは相手に届かないという話でもある。
暗礁③ — 過去の年度を同じファイルに置くと、表が壊れる
軽さの問題だけではなかった。
運用を続けていると、欄を追加したり削除したりする。この項目はもう使わないから消す。新しく管理したいことができたから足す。そのときどきの判断としては、どちらも正しい。
問題は、その操作が過去の年度にも及ぶことだ。
当時は適切に入力されていたはずのデータが消える。あとから過去の年度を見たときに、表が崩れている。セル結合を使っていた時期があれば、そもそも欄をきれいに追加できない。
1つのファイルに時間を詰め込むというのは、過去を上書きし続けるということでもある。

航路① — 年度で割る
やったことは単純で、年度ごとにファイルを分けた。
過去を見たいときは、その年度のファイルを開く。1年ぶんしか入っていないので、さっと立ち上がる。1分待たされていたものが数秒になった。検索もシンプルになるし、メールで送るときの心配もなくなった。いま使っているファイルからは過去が消えるので、当然そちらも軽くなる。
「Excelは年度ごとに1ファイル」。よく言われることだし、正しい。
ただ、これだけでは足りない場面がある。
航路② — 「そのとき何を見て入力したか」を残す
管理会計の話になる。
同じ収支予測でも、1か月前と、2週間前と、3日前と、当日では数字が違う。営業日のあいだに意思決定があり、経営方針が変わり、前提が動くからだ。
だから必要なのは、年度という単位のバックアップだけではなく、その時点のバックアップになる。作成した時点でどの数字を信じて入力したのか、それを後から振り返れる状態にしておくこと。
これがないと、こうなる。
どう入力してたんですかね。もうExcelを更新してしまっているので、何が間違いかも分かりませんね
自分が作る側でいるうちは、まだいい。
管理職になって、部下に資料を作らせる立場になると話が変わる。その部下がどの資料を見て作ったのか、判断がつかない。悪く言えば、意図的に誤った数字を入れたのかどうかも分からない。
数字の誤りは経営状況に直接影響する。すぐ修正できるならいい。振り返る仕組みのない会社だと、致命傷になる。
バックアップの取り方というのは、そういう話でもある。
入力の仕方より、置き方
いま同じ症状に出会ったら、最初に見るのは入力の中身ではない。そのファイルをどう保管しているか、どう保存しているか。整理整頓のほうだ。
Excelの使い方というより、ファイルへのアクセスの仕方の問題で、これは現実の書類と同じように考えたらいいのかもしれない。全部を1つのキャビネットに詰め込んで、必要になるたびに全部を引っ張り出しているなら、重くて当たり前だ。
ちなみに、こうして整理したExcelをAIに見せて直させる話は別の記事に書いた。ゼロから作らせるより、自分が作ったものを見てもらうほうが速かった。
この記事は、まだ書きかけです
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だから、同じURLでも半年後には別のものになっているはずです。もし一度読んだことがある記事なら、下の更新ログだけ見てください。増えたところが分かります。
更新ログ
- 2026-09-24 「育つ記事」に切り替え(以後ここに追記していきます)
- 2026-09-07 公開

